Carcielの企業理念・ビジョン

企業理念

1. 時代の先駆者たれ

これは早稲田大学を創設した大隈翁の言葉です。
「時代」そして「先駆者」という二つの言葉に大きく意味を感じます。
その時代では存在しない思想、学問、技術などの常識を覆して先駆者として何かを創造する。
一見、素晴らしいことに感じますが、これには相当な覚悟が必要になります。特にこの日本ではイノベーションが必要と叫びながら、時代を変えるようなイノベーションが現れると理解ができず、否定し、侮蔑し、消し去るような動きに一転します。
これはこの国独特の周囲の人々、すなわち世間と足を揃えていかなければいけないという考え方が歴史的に根付いているせいでしょう。
この国で先駆者たることは想像を絶する孤独感、屈辱、無視などを覚悟してください。
そしてその先駆的な考えは生きている間に報われることがないかもしれません。
それでも先駆者は己のみを信じ、例え祝福されるべき結果が得られなくても。先駆者である自分に誇りをもち、周りから何と言われようと勇気をもってその道を邁進してほしいと思います。

2. 光と影

人間には絶対的な判断ができません。
いつも比較的な判断でしかできません。
それは調度、「光」を感じるために「影」が必要なのと同じ原理です。
組織にしても、「成功」を目指していきます。
しかし、この成功というものには定量的な定義が存在しません。
成功を光に例えるならば、「失敗」という影がないとこの光を認識できず、
認識できないからこそ制御を誤り、また影が出始める。

幸せと不幸、裕福と貧困、便利と不便などなど、人間というものは優れている生物とされているようですが、
影を知っているからこそ、光を感じることしかできないのです。
つまり、影の中にいることは、影を知り経験をするという重要な経験です。
そこから、少しずつでも光を感じていく、それを常冷静に判断することが肝要だと考えています。そして光の中にいると思ったら、また影に入っていく。その時の影も観察して経験してください。
人間はこのような簡単なセンサーしか持っていないのです。
どちらにしろ、一生は一度です。自分が感じる光に関しても影に関しても、
感情と言うものに惑わされず、しっかりと認識し経験をしてください。

3. 常に世界を水準に

事業、研究開発、製品開発など数々のキーが企業の活性化の重要なファクターです。
このファクターを新しく始めるにしろ、
改善して更に良いファクターにするにしろ、
まず徹底的に世界の多くの企業、
研究所などにおけるレベルを調査するということから開始すべきです。

調査といっても単にコンサルティング企業などに依頼するのではなく、
直接連絡を取り、詳細内容を聞き、その製品、
開発結果を可能であれば実際に自分で経験してみるということが大切であると考えています。
そして、これを世界中の国々におけるできるだけ多くの企業や研究所に対して実施すべきだと感じています。
一見、時間とコストがかかるようにみえるこのプロセスですが、実は逆です。

この調査結果の密度が濃くなるにつれて、
その段階での世界最高峰が把握できます。
そして、その世界最高峰のレベルから開発を始めるべきなのです。
開発費は時間とコストがかかりますが、
これをやらずにしてイノベーションは生まれません。

4. 自分を知れ

自分の長所・短所を完全に把握するということは重要です。
しかし、ぼんやりとは理解していたつもりでも意外と分かっていないものです。
他人に聞いて他人からこの評価をしてもらうということはまず避けるべきです。
実はこの長所と短所の把握は食べ物に対する好き嫌いと考えてください。
この時に好きなものから考えると、
大変範囲が広くなり戸惑うことが多いのではないでしょうか?
この時は嫌いなものから考えるのです。

嫌いなもの、食べられないものから、考えると意外なほど簡単に思いつきます。徹底的に嫌いな食物を見つけた後に、
すべての食べ物からこの嫌いな食べ物の集合体を引いたものが好きな食べ物になります。
長所・短所も同じです。
短所も冷静に考えると数多く見つかります。
そして人間の性格の集合体から短所を差し引いたものが長所です。
就職する際も同じです。

したくない仕事、できない仕事をすべて把握し、様々な仕事から差し引くのです。するとしたい仕事、できる仕事が見つかります。
このようなタスクを自分に関して色々応用していくと自分の「軸」のようなものが見つかります。
しかし、社会はこの軸をすべて受けいれるはずはなくどこかを捨てどこかを取る、それが戦略だと考えています。

5. 企業は生き物

企業は人間と同じで誕生し、やがて死に絶えます。
取引を行う際に「与信」というものがありますが、これは安定的な大企業では無用です。
それはその創業から老舗の大企業になるまでにいくつもの困難を乗り越えて様々な経験をしてきた証があるためです。
この長期間にわたる運営ノウハウを私はマネジメントと考えております。

マネジメントに関する色々な著作が本屋に行けば見つかりますが、
参考程度には読むにしろ私はそれを自分の企業に応用しようとは思いません。なぜなら、マネジメントは企業年齢に依存していて、
会社のロゴマークのように各社違ったものであると認識しているためです。
特に創業時は「業」を創るわけですから、上で述べてきたように生易しいことではありません。

一般的なマネジメントを持ち込もうとしても無益であり、
自分を確実に知り、生き延びるために自分の短所を補ってくれるメンバーを社内外に見つけることが大事だと考えます。
間違ったメンバーを選択すると致命的になり、そのメンバーを取りのぞくには大きな心労が伴います。
また、企業が育つうちに、創業時のマネジメントと10年後のマネジメント、50年後のマネジメントは異なり、社会的役割も時間が経過するにつれて重みが増していきます。
これは人間の生涯と一緒で成長とともに善悪の判断、常識、個性などが形成さてれいくのと同じことだと考えています。
マネジメントはうまいへたではなく、企業年齢に即したマネジメントを如何に発想し、実行に移すか、それが重要であると思っています。

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